ハダス(ミルトス、マートル)の白い花〜花の名前、女性の名前

昨日は、午前10時からのミサ前に、Haimが会衆に向かって聖書の解説をし、ミサでは私が答唱詩編の先唱をすることになっていたため、朝5時半過ぎに起きて、朝食や外出の準備をしました。テレビで「時事放談」が始まる前に、新聞を取りに玄関のドアを開けたところ、ブンブンというものすごい羽音がきこえて来るではありませんか。驚いて庭を見ると、ハダス(これはヘブライ語、英語でマートル、ギリシャ語ではミルトスと呼ばれています)の木に、数十匹〜百匹ほどの蜜蜂が群がって、夢中で蜜を集めていました。

こんなにおびただしい数の蜜蜂をみたのは初めてです。ハダスの白い花は盛りを過ぎて、茶色を帯びたものもあり、あと数日で全部枯れてしまうでしょう。
その前に蜜をもらおうと、どこからかやってきた蜜蜂たち。その働きぶりをしばし眺めながら、つやつやとした常緑の葉や枝が年中芳香を放ち、6月の終わりから7月にかけては美しい白い花を咲かせる、地中海沿岸原産のハダスが、強い生命力を持ち、不老不死、蘇りの木とも呼ばれていることに、おおいに納得しました。

ここに掲載した写真には、蜜蜂は写っていません。


ところで、ハダスという花の名は、女性の名前にもなっています。聖書のエステル記のヒロイン、ペルシャ後宮の王妃エステルのユダヤ名はハダスでした。エステルはペルシャ風の通り名で、本名はハダスだったというわけです。白く清らかで気品のある美しさは、彼女にぴったりだったでしょうね。もちろん、物語は、史実とは違いますが……。
英語のマートルも、女性の名前になっています。ほかにも、花の名前が女性の名前になっている例はたくさんありますね。
百合、菫は、洋の東西を問いませんし、薔薇(英語でローズ、へブライ語でショシャナ)という名も愛されています。葵、菊、桜など、日本の文化と深く結びついている名前も素敵です。

私の名前Johannaは、イエスに愛された弟子ヨハネ(元来のヘブライ語では、ヨハナン)の女性形。「神は恵み深い」あるいは、「神は恵みを増す」という意味を持っています。日本では、恵子にあたるでしょうか。
恵みに感謝し、自分に与えられている使命を問い続けながら、それを果たしたいと願っています。