福島、東館小学校の子供たちから原発作業員へのメッセージ

地震津波、そして原発事故による大きな被害を受けた福島県
福島県の南に位置する矢祭町では、小学生311名、中学生183名の町内のすべての小中学生が東日本大震災の被災地被害への義援金として、子どもたちの活動と授業参観などでの保護者への呼びかけで募金活動に取り組み、308514円を集め、5月6日(金)に日本赤十字社矢祭町長に寄託するなど、教育現場で、子どもたちができる災害支援、災害復興に取り組んでいます。

その矢祭町にある東館小学校2・3・4年生、65人が、運動会練習で忙しい学校生活の中で、5月12日(木)3校時目に、原発作業員に感謝し、励ますためのメッセージカードの制作活動を行ったそうです。
矢祭町には、避難所があり、原発周辺から避難してきた人もいます。東館小学校には、両親が福島第一原発で働いている2年生の女の子が通学しており、その子は両親と離れて、お祖母ちゃんと暮らしているそうです。この活動には、その女の子を励ますという意味もあります。
同小学校はこの3年間「国際理解教育」に取り組んできたとのこと。その取り組みと、原発作業員にメッセージを送るという今回の活動の根底には、子どもたちが他者への「共感」に基づいいて行動をする力を育くんでいくという教育姿勢が貫かれているようです。

同校の宍戸仙助校長先生のご了解を得て、以下に、福島県の被災地や原発の様子がわかる写真と、子どもたちが原発の作業員に贈ったカードの写真を掲載いたします。どうぞご覧ください。


高濃度の放射線の中で、原発事故収束のために日夜作業にあたる作業員の人たち。
その多くは、樽葉町や大熊町浪江町などの被災地の人々です。

彼らは、自らも被災者でありながら、福島第二原発の体育館に寝泊まりし、大きなストレスを抱えながら、
福島を、そして日本や他国をも放射能から守るために、過酷な労働に励んでいます。


そのような作業員の人たちに感謝し、励ますために、こどもたちが心をこめて、カードを制作しました。



東館小学校の校長先生はこのように仰っています。
『3年生のはなわまりあさんのカードの上部にある絵の中の言葉が読み取れるでしょうか。
1.「もしも、たいへんなことになっても、きぼうをすてずにがんばってください。」
2.「とおくはなれていても、思いはいっしょ。げんぱつにまけないでがんばってください。」
3.「あなたたちは、ひさいしゃのやみのなかのひとすじのひかりです。きぼうをすてないでください。」
と、書いてあるのです。
 驚きました。本文も素晴らしいのですが、この3つのメッセージは、「命の言葉」だと思えてきました。』



津波に襲われ、折れながらも、美しい花を咲かせた桜のひたむきな姿は、「希望を捨てないで」と、私たちに語りかけてくれます。