子供たちの温かい心  ―ピンチをチャンスに―

私は、子供たちに英語を教えています。
新学期を迎えた教室で、東日本大震災で苦しむ日本のために、世界中から温かい援助の手が差し伸べられていること、バンコクのスラムでは、日々の生活費が数百円という生活を送っている人々や子供たちが、日本のために募金活動をし、90万円以上も集めてくれたことなどを話しました。そして、「私たちも何かできることをしようよ」と呼びかけてみました。

子供たちが賛同してくれたので、教室に募金箱を設置し、チャリティー・バザーを開催して、集まったお金を、4月11日にこの日記でご紹介した「教育と心の復興プロジェクト」被災児童生徒奨学金に寄贈することに決めました。

生徒たちの中に、スリランカ人のお父様と日本人のお母様を持つ子どもがいます。彼は、こう言いました。
「お父さんが、福島にカレーを作るボランティアに行ってきたよ。だいぶ前にインド洋で津波があったとき、スリランカも大変だった。今は日本が大変だ。僕、あんまり寄付する物はないから、お金を持ってくるよ」
そうして翌週、彼は「お母さんに話して、もらってきたよ」と、ケースに入った鉛筆数本を差し出し、募金箱にコインを何枚か入れてくれました。

教室に来て募金箱をみつけるとすぐにポケットから百円玉を取り出し、「ちょうどポケットに入ってたんだ」と自分のお小遣いを入れてくれる子もいました。

中学生とは、少しばかり政治の話もしました。日頃、家庭でお母様方が「ゆとりがない。お金がない」と嘆いているのをよく見聞きしている子供たちが言いました。
子ども手当てはなくてもいい。その分を、被災地の人や、本当に困っている人のために使ってほしい。僕たちには、家もあるし、家族もいる。ゲームも持ってるし、旅行に行ったり、キャンプに行ったりもしてるんだから」
私は胸が熱くなりました。「この子たちは、ちゃんと考えている。温かい人間の心を大切にしているんだ」と。


民主党の皆様、お分かりでしょうか。一日も早くマニュフェストを凍結して、少しでも復興の財源を作ってください。子ども手当ては廃止してください。年金制度を不安定にし、お年寄りを心配させることはしないでくださいね。若者は、国からお金をもらって贅沢を続けようとは思っていないのです。

子ども手当て」は、親のエゴを助長し、子供たちをひ弱にします。他者を助け、国を守り、世界に貢献する気概を持つ人間を育てたければ、バラマキを止めて、現実の世界情勢に眼を向けさせることです。発展途上国の若者たちがどれほど努力して学んでいるかを見れば、日本の子供たちは、良い意味で危機感を抱いて、自分の生き方を真剣に問い、あらゆることから学んでいく喜びを味わい、逞しく育っていくことでしょう。

今は国難のとき。そして、ピンチをチャンスに変えるとき。日本人の本来の優しさ、強さ、心の豊かさを取り戻すときなのだと思います。