父の日のショファール(角笛)

6月の第3日曜日は、父の日ですね。

今年83歳になった郷里の父に、私は福島の日本酒を贈りました。
今朝、父から「ありがとう」と電話がありました。
父が私と妹を育ててくれたこと、元気でいてくれることに心から感謝。


夫のHaimにも、娘たちから「父の日のプレゼント」がありました。
旧新訳聖書に登場する、羊の角で出来たユダヤの民族楽器、「ショファール」(shofar)です。夫が大喜びでさっそく吹いてみたところ、音は出るには出ましたが、思うように安定した音量で吹き鳴らすにはかなりの練習が必要なようです。私も試してみましたが、軽く口を当て、息を端の方から吹き込むのがコツのようです。吹き込む角度によって、音の響きぐあいが違うことがわかりました。


ショファールは、もともとは、羊飼いたちが、草原や岩山で、仲間への合図のために吹き鳴らしたものなのでしょう。
羊だけでなく、ガゼルや山羊の角からも作られています。
TNAKH(タナハ)=いわゆる旧約聖書にはイスラエルの民が、警告し、注意を喚起するとき、記憶することを促すとき、民が神に向かって心を一つにし、賛美と感謝を捧げるときなどに、この楽器を吹き鳴らしたことが記されています。


現在も、ユダヤ教徒たちは、様々な儀式でこの楽器を吹き鳴らします。
金曜の夕べには安息日の始まりを告げるために、ヨム・キプールでは贖罪を記念して、ロシュ・シャハナでは新年の始まりを告げるために……、10年前、ニューヨークのヤンキー・スタジアムで行われた9.11の犠牲者を追悼する集会に、様々な宗教団体が参加してそれぞれの様式で追悼の祈りをささげたときにも、ユダヤ教のラビは、集まった人々の前で、皆を一つに集めるために、ショファールを吹き鳴らしました。日本のマスコミはこれを伝えませんでしたが。


ショファールの音には、その吹き方(音の長さ)によって異なる意味があります。
1.人々を集める
2.礼拝を準備するように促す
3.主を呼ぶ(主よ主よ主よ)3回続けて吹く
4.ハレルヤ!と主を賛美する意味で息の続く限り長く吹く

ショファールは、ひとつひとつ天然素材を用いて作っているため、少しずつ形がちがいます。
また、羊の種類によって、角笛の種類も違います。吹き手には、一つ一つの楽器に合う吹き方をみつけていく楽しみがあります。


娘たちがHaimに贈ってくれたのは、美しいカーブを描き、何本もの襞が刻まれた、全長約35cmの角笛でした。
ユダヤ教の儀式で使用できる正式のショファールであることを証明するメノラー(ユダヤ教のシンボルである七枝の燭台)が刻印されています。
どうぞ下の写真をご覧ください。


Haimが娘たちから贈られたショファール。


メノラーの刻印があります。


youtubeで、ショファールを紹介する動画をいくつか見つけましたので、ご紹介します。