娘の誕生日に

昨日の日曜日、来月次女の挙式を予定している新宿のホテルで、貸衣装の試着と着付けの予約をしてきました。


黒留袖を着るのは初めてです。気に入ったデザインのものが見つかったのですが、レンタル料金が高いのにびっくり!
「洋装じゃだめ?」と娘に尋ねたところ、「ゲストに失礼のないよう、パパはモーニング、ママは留袖でお願いします」とのこと。
次に三女の振袖を選びました。三女は身長が170センチあり、私のお下がりの振袖では裄も丈も短すぎて着られません。
総絞りの素敵な振袖を借りることになったのですが、これがなんと数時間借りるだけで16万円!


Haimと私は、いたって簡素な結婚式をしました。次女夫妻がウェディング業界によるお仕着せの披露宴を催すのには抵抗を感じ、「派手な式や披露宴をしたからと言って、幸せになれると決まったわけじゃないのよ。もっとこれからの結婚生活のためにお金を使ったら?」と意見は述べたのですが、彼らは職場の方々やこれまで披露宴に招いてくれた友人たちを招待するために、どうしてもホテルで披露宴をしたかったようです。自分たちで節約をしてお金を貯め、様々な準備も二人で進めてきました。親が口出しすることではないでしょう。そう思って、ここは次女の望みを叶えることにしました。



ホテルを出てから、ロシア料理を食べさせてくれる気楽なレストランに入りました。
今日6月6日が誕生日の次女を囲んで、ささやかな前祝いの食事を共にしたのです。



ハトムギとレタスのサラダの後に出てきたボルシチ
食べている途中で撮影したので、スプーンつきです。鮮やかなビートの色に食欲をそそられました。
野菜がたっぷり!おいしくいただきました。



つぼ焼き。小エビと野菜を豆乳入りのクリームソースで煮込んだものに、黒ゴマ、黄粉の入ったパンの蓋。香ばしくヘルシーな一品でした。



デザートは、フランボワーズのムースとカシスのシャーベット。
それから写真を取り損ねたロシア紅茶。
ロシア紅茶には、苺ジャム、蜂蜜、ワインが入っていていい香りでした。



電車に乗り、自宅の最寄りの駅に着いたのは、夜9時近く。
あいにく土砂降りの雨で、傘をさしていたにもかかわらず、家に帰り着いたときにはびしょ濡れでした。


月曜日の今日は、まだ疲れが残っていて、頭が少しぼーっとしています。
けれども、また一つ、娘の結婚式への準備のステップを踏むことができてほっとしています。


27年前の今日、午後二時半頃、次女はこの世に生まれてきました。
病院の分娩台の上にいた私に、産科の担当医師の不在が告げられ、「大丈夫ですからがんばりましょう」との助産婦さんの声に励まされて、無我夢中で次女を産んだことを思い出します。おなかの中の赤ちゃんに、「一緒にがんばろうね」と心の中で話しかけながら。
無事生まれてきてくれたわが子を抱き、ベッドに戻った私に、看護婦さんが「ゆっくり休んでくださいね」と声をかけてくれました。
けれども、高揚した私は眠りにつくことができず、のちに川柳を作るようになった時、次の句を記したことを憶えています。


産み終えて生の不思議に眠られぬ


さほど優れた作品とも思えないのですが、私の真実を呟いた句です。朝日グラフの「川柳新子座」に掲載されました。
故時実新子先生は、出産を体験した者として私に共感し、この句を取り上げてくださったのでしょう。

あれから、本当にいろいろなことがありました。
今日、次女を産んだ時の私と同じ年齢になった娘が元気で成長し、新しい人生を歩み始めたことに感謝しています。
そして、心からその幸せを祈っています。