イスラエルの援助に感謝して、一言申し添えます。


       春の訪れを告げるアーモンドの花


昨日ご紹介したニュースの記事や動画を多くの方が見てくださったようです。ありがとうございました。

東日本大震災で未曾有の被害を受けた日本に対して、イスラエルは、まず仮診療所を開設して「緊急の支援」をし、次いで診療所と医療機器を贈ることにより、イスラエルの医療支援チームが去ったあとも残された南三陸町の人々が新しい医療体制を構築していけるように、「自立を促す支援」をしてくれました。このような行動は、彼らの伝統です。イスラエル政教分離の世俗国家であり、民主主義が高度に発達しています。が、人々の心には、ユダヤ教聖典である「トーラー・ネビーム・ウ・ケトビーム」(キリスト教が言うところの旧約聖書)の精神が深く息づいているのを感じます。

日本ではあまり報道されることがありませんが、イスラエルは、ハマスなどのイスラム原理主義者によるテロに苦しみながらも、ガザの市民に対しては、医療や物資などの援助をし続けています。2009年の年末の空爆に際しては、事前にガザ市民に避難を呼びかけ、民家一軒一軒に電話で通知するという努力も惜しみませんでした。

イスラエルは、これまでそうであったように、これからも、どこかの国が突然の災難に見舞われ、助けを必要とするときには、たとえそれが日頃争っている相手であったとしても、人間として当然のこととして、援助を行うでしょう。

日本に対しては、彼らはことのほか親愛の情をいだいてくれています。かつてナチによるホロコーストで命の危機にさらされた人々のために、杉原千畝リトアニアで書いた通過ビザによって6000人(その子孫をあわせると数万人規模になります)が命を救われたこと、北・南米への避難途上で寄港した神戸で、日本の人々が彼らを温かく迎えたことを、今も忘れずにいてくれます。そうして日本の文化に敬意を払い、友情を深めることを望んでくれています。今回、彼らは、大使と親交のあった粟原市の市長と連絡をとって南三陸町に医療チームを送ってくれただけではなく、複数のユダヤ人団体が日本に義援金を送り、浄水技術を使ってほしいとの申し出もしてくれました。日本人として、心から感謝申し上げると同時に、日本とイスラエルの交流と理解が深まることを願ってやみません。